【助産師の開業①】助産師として、地域で働く。出張専門の開業方法

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施設勤務をやめて、地域で働きたい。
そう思ってはいたものの、いったいなにをどうすればいいのかまったくわからなくて動けずにいた私。

キタガワ
キタガワ

出張専門開業を経て
現在は施設あり分娩なしの助産院を営んでいます!

ここに至るまでには紆余曲折ありました。助産院の開業は、とにかく情報がない。

過去の私のように、開業したいけどどうしたらいいのかと考えている人のお役に立てればと思い、私の辿ってきた道をここに書き残すことにしました。

このブログでは、私が出張専門開業から、施設あり分娩なし開業をするまでの経過を6話にまとめています。

これはあくまで私の体験談なので、他の方法もたくさんあるとは思いますが、こんな方法もあるのか、という感じでご覧いただけると幸いです。

》第1話 「出張専門(分娩なし)開業について」
第2話 「助産師賠償責任保険の加入について」はこちら
第3話 「施設探しについて」はこちら
第4話 「入居から内装完成まで」はこちら
第5話 「開業届提出から立入検査まで」はこちら
第6話 「ホームページ作成など」はこちら

まずは第1話
地域で働きたいと考え始めてから、実際に出張専門(分娩なし)の開業届を提出するまでにどんなことが起きていたのかをまとめました。

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前書き〜地域で働くことを選んだ理由

私は元々大学病院の産婦人科病棟で働いていました。出産件数は少なめでしたが、だからこそ独特のゆったりした空気が流れており、先輩たちも優しく、妊婦健診から母親学級、分娩介助、新生児室、母乳外来まで、皆がすべてを担当することができていました。ここは私にとってとても居心地が良く、定年まで勤める!と高らかに宣言していたのに、なんと分娩の取り扱いが終了。泣く泣く退職を選びました。

ちょうど自身の出産後ということもあり、幼い子どもを抱えての就職活動は難航。ワンオペ育児でもあり、フルタイムで夜勤もこなす病院勤務に限界を感じ、クリニックや産後ケア施設などでパートをしながら、しかし大好きな産婦人科領域には関わり続けていました。

経験を重ねていく中で、産後退院した方達の相談場所がとても少ないことに気づき、自身の興味とも重なって、地域で働きたいと考えるようになります。

保健所に突撃

その頃出会った助産師さんに自治体の新生児訪問に従事している方がいて、私もやりたいと思ったものの、それはどうやったらなれるのか?どこかに求人が出ているのか??とわからないことだらけ。そのまま月日は流れていきました。

日に日に新生児訪問への思いが募り、ある日保健所に突撃。(アポなしで伺ってしまいましたが、きっと事前に電話したほうがよかったと思います)。新生児訪問をやりたいと相談します。残念ながら訪問員さんはいっぱいで募集はなく悲しんでいたら、「新生児訪問はいっぱいだけど、妊婦面接の募集をしている」と教えてもらいました。

早速応募して、面接や作文提出などを経て採用。

そこから保健所勤務が始まりました。

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地域でのケアを知る

保健所での勤務は、どれもこれも新鮮な経験でした。
妊娠したら区役所や地区センターで母子手帳と妊婦健診の受診券をもらうこと、妊娠中に面接があること、産後の予防接種や健診など、すべて保健所の人たちが管理してくれていたこと。

自身も妊娠出産を経験していたのに、こんな仕組みになっていたなんて全然知らなかった。新生児訪問へ行く流れも、ここではじめて知りました。こうやって私たちの暮らしは支えられていたんだ。何も知らずに生きていたけど、感謝の気持ちが湧いてきました。

さらに、新生児訪問をするだけなら、助産師としての開業は必要ないことも知りました。自治体によるのかもしれませんが、私が動ける範囲の自治体は、基本的に新生児訪問員の空きが少なく、順番待ち状態。いくつかの自治体に電話したけれど、空いてないと言われたり、確認しますと言われたまま返事がなかったりで、タイミングが合わないとなかなか従事できない仕事だと知りました。

私は新生児訪問をやりたかったので、担当の方にアピールし、順番待ちをしていました。

突然の出張開業

妊婦面接の仕事を週4でおこなっていたある日、上司から、産後ケア訪問型というものが始まるが、それをやってみないかと打診を受けます。

元々新生児訪問をやりたかった私は、産後の家庭に訪問できる産後ケアを、二つ返事で引き受けました。

「産後ケアをやるには開業届を出してもらわなくてはいけない」

  

……………え???

  

なんとここで、突然「開業」することに。

いつか開業したいしたいと思ってはいたけれど、こんなかたちで急に開業することになるとは。

開業?どうやって?そんなこと、私にできるの??

でも、迷っているヒマはありません。やるしかない。

手続きのために自身が住んでいる地域の区役所の担当部署に行きました。必要なのは「助産所開設届」と助産師免許のコピーが各2部。助産所開設届の記入は、出張専門だと驚くほど簡単です。名称は「助産師 〇〇(本名フルネーム)」と決まっているようで、所在地も自宅住所を記入すればOK。屋号とか、難しいことは考える必要がなく、思い立ったらすぐに開業できたのでした。

長年開業について悩んでいたのに、実際はこんなに簡単だったんだ…

そんなこんなで、無事出張専門で開業することとなりました。

出張開業の方法や窓口は、「東京(お住まいの地域) 助産院 開業」などで調べると、担当部署や必要な書類など記載されているので、調べてみるとよいです。

税務署に開業届を提出

詳しいことはいまだによくわからないのですが、保健所への助産所開設届とは別に、税務署へ「開業届」を出さなければならないようです。保健所へ出すのは医療法的な意味で必要な届出で、税務署は「個人事業主」としての届出なのかな、という認識です。

以前マンション一室でサロンを経営していた知人が、「ある日突然税務署から『開業届を出してください』って連絡が来て、全然知らなかったからびっくりしちゃった〜」を話していたのを聞いていたので、商売をするなら開業届を出さなきゃいけないんだなと思っていました。

調べると「開業届を出すメリット、デメリット」という記事はいくつも出てきます。私はなんでもはっきりさせたいタイプなので、コソコソやって後で面倒なことになるのも嫌だし、すぐに開業届を提出しました。

これで開業関連の手続きは完了です。

開業と同時に、賠償責任保険の加入が必要になりました。その話は第2話にまとめています。

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開業を考えている助産師さんへ、コーチングセッションで開業を支援します。実際に開業している助産師がセッションを担当。対面、オンラインどちらも対応。

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