私も「とにかく、おいしい珈琲が飲みたい」

医療の世界を離れてコーヒー屋さんで働いていたことがあります。

コーヒーは苦くて飲めなかった私が勢いでコーヒー屋に入ってしまい、どうなることかと思ったけれど、あっという間にその奥深い世界の虜になりました。

当時の私は映画も見ないし音楽も聞かないし、本も読まない。特別ハマった遊びもなければ好きな芸能人もいなくて、休日は何して過ごしていいのかわからず、ただただ時間を持て余している筋金入りの「無趣味人間」。

そんな私のはじめての趣味となったのがコーヒーです。

コーヒー豆にはたくさんの品種があり、品種が同じでも栽培環境で味が変わるし、同じ農場で穫れたお豆でもその保管方法だったり、焙煎度合いだったり、抽出方法でまったく違う味に変化します。

さらには「フードペアリング」といって、フードとコーヒーを組み合わせることでお互いの味や香りを引き出す方法や、市販のコーヒー豆を自分でブレンドすることで新たな味を発見したりと、とにかく飽きることがありません。

「これが趣味ってやつか、楽しい!」

毎日コーヒーを淹れては飲んで、淹れ方を変えてみたり、食べ物と一緒に飲んでみたり、カフェを巡ってみたり、関連書籍を探したり。

コーヒーのおもしろさを知ったことで、紅茶とかワインとか日本酒とかもきっとこういう楽しさがあるんだろうな、とか、世の中は楽しいことがたくさんあるんだとわかりました。

狭いキッチン。少量のお湯で豆を蒸らす。いい香り。

コーヒーに関するたくさんの本の中で私が特に気に入っているのは、中川ワニさん・中川京子さん著の「とにかく、おいしい珈琲が飲みたい」。

表紙を見ているだけでなんだか癒されるのですが、中身にもまた癒されます。

いわゆるハウツー本ではなくて、コーヒーとの向き合い方、コーヒーの楽しみ方、コーヒーとはなにかを考えさせられる内容です。

良い悪い、美味しい不味い、正解不正解の話ではなく、「自分にとってのコーヒー」を見つけるヒントになります。

「正しいやり方」に囚われてハンドドリップに自信がなかった私も、この本を読んだおかげでのびのびとコーヒーを楽しめるようになりました。

知識をひけらかすのではなくて、私はただ、ワニさんと同じように、とにかくおいしいコーヒーが飲みたいのです。

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