無数の巻き方が存在するベビーラップ。
その種類の多さに圧倒され、尻込みしている人も多いのではないでしょうか。
しかし、よくよく観察するとベビーラップの構造はとてもシンプル。
すべての巻き方は基本的な4つのパスと、4つのフィニッシュで構成されています。
この構造が理解できると、様々な巻き方に挑戦するハードルがぐっと下がりますよ。
この記事ではパスの種類と特徴について説明していきます。
パスの種類 基本の4つ
パスは布を渡す動作、布の流れのことです。
基本のパスは4種類。
この4つを少し変形させたものがさらに4種類あります。
写真はおんぶですが、だっこの時も布の流れは同じです。
それでは順番に説明していきます。
リュックパス/カンガルーパス
Ruck Pass/Kangaroo Pass
布は子どもの背中を横切って、抱く人の両方の肩を越えます。
長所
・高い位置を保つことができる
・反り返りがちな子どもに最適
・左右に隙間があり通気性が良い
短所
・足をのばす子ども(通称:足ピン)には最も不向き
高い位置でのおんぶに欠かせないパスです。
布は子どもの背中をまっすぐ横切って大人の両肩を通るため、背中がしっかりサポートされます。よって反り返りがちな子どもに最も向いています。
反面、足をピンと伸ばされるとお尻の下のシートは簡単に取れてしまいます。
首元までサポートできるので、抱っこであれば首すわり前の子どもにも使用することができます。
レボゾ パス/ハンモック パス/スリング パス
Rebozo Pass/Hammock Pass /Traditional Sling
布は子どもの背中を斜めに横切って、抱く人の片方の肩を越え、もう片方は肩の下を通ります。
長所
・反り返りがちな子どもに良い
短所
・リュックパスほど高い位置は保てない
・足をのばす子どもには不向き
片方の布は肩の下を通るので子どもの背中をやや斜めに通過します。
トップレールが高い位置にある限りは、反り返りやすい子どもにとって安定感があるパスです。
お尻のシートはリュックパス同様、足ピンに弱いです。
背中をやや斜めに横切っているものの、首元までしっかりと布を広げれば、首すわり前の抱っこに使用することができます。
ホリゾンタル パス/トルソ パス
Horizontal Pass/Torso Pass
抱く人の両方の肩の下を通り、赤ちゃんの背中を横切っていきます。
長所
・足をのばす子どもに向いている
短所
・位置が低くなる
Horizontal=水平 Torso=胴体
両布が肩の下を通っているため、それ以上高い位置で抱くことが不可能。
位置は最も低くなります。
位置が低いぶん子どもが足を伸ばしにくく、足ピンする子どもに向いています。
リュックパス同様、首元までサポートできるので、抱っこであれば首すわり前の子どもにも使用することができます。
クロス パス
Cross Pass
抱く人の片方の肩を越え、子どもの背中を斜めに横切って、子どもの膝の下を通過します。
長所
・足をのばす子どもに最適
・通気性が良い
短所
・反り返りがちな子どもには不向き
子どもの足の下を通過するため、シートが取れることがありません。
よって足ピンする子どもに最適です。
しかし、子どもの背中半分は布に覆われておらず、反り返りには非常に弱いです。
他の3つのパスと違い単独使用は不可。
開いている側を閉じるために、必ずもう一つのパスと組み合わせる必要があります。
クロスパスのみで構成された巻き方では、首すわり前の使用は不可です。首元のサポートが不十分だからです。
パスの種類 変形4つ
上の4つで十分説明可能なのですが、知っていると便利なのであと4つも説明します。
レインフォーシング クロス パス
Reinforcing Cross Pass
抱く人の片方の肩の下を通り、子どもの背中の真ん中からお尻の下までいき、膝の下で終わります。
Reinforc=補強する、増強する
上の4つのパスを補強するためのパスですね。
写真の灰色の布部分がレインフォーシングクロスパスです。
次に出てくるバンチドパスに比べると、布を広げているぶんサポート力が増します。
足の下をクロスしているので、足ピンによるシートの破壊防止にもなります。
バンチド ホリゾンタル パス
Bunched Horizontal Pass
布は束ねられ、子どもの膝の上からお尻の下までいき、反対側の膝の上を通ります。
Bunched=束ねた
束ねた布を水平に渡すことですね。
だいたい、巻き終わりの最後のパスとして使います。シートを押さえる役割も果たしています。
バンチド クロス パス
Bunched Cross Pass
布は束ねられ、子どもの膝の上からお尻の下までいき、反対側の膝の下を通ります。
束ねた布をクロスして渡すので、バンチドホリゾンタルパスに比べて子どもの膝の位置を高く保つことができ、シートの破壊防止効果はやや高くなります。
こちらもだいたい、巻き終わりの最後のパスとして使われます。反対側のバンチドクロスパスと結ぶことが多いです。
ウィグルプルーフ パス
Wiggleproof Pass
布は子どもの膝の下から背中の上にあがっていき、抱く人の肩を通過します。
Wiggleproof という単語はみつからなかったのですが
Wiggle=〔体の一部などが〕小刻みに[くねくね]動く
proof=〔…に〕耐えて,〔…に〕耐久的にする
なので子どもの動きに耐えるパス、かと思われます。
仕上がりはクロスパスと同じです。
クロスパスは「上→下」に布が渡るのに対し、ウィグルプルーフパスは「下→上」に布が渡る。
なので特徴もクロスパスと同じ。ただ、巻き方はクロスパスよりも少し難しいです。
まとめ
いかがでしかた?
横文字がならび混乱するかもしれませんが、パスが理解できるとベビーラップに対する苦手意識が和らぐのではないでしょうか。
これらのパスは、ラップが肩の上または下、子どもの足の上または下にあるかどうかで定義されます。
高い位置で抱っこしたい
足ピンを防ぎたい
反り返る子どもを安定して抱っこしたい
なるべく涼しい巻き方をしたい
そのためにどのパスを組み合わせるか。
完成された巻き方を一つ一つ覚えていくよりも、ずっと自由に使うことができますね。
お気に入りの巻き方が見つかるヒントになることを祈っています。
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パスを知ることで、今までよりもたくさんの巻き方を楽しめそうですね。
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