授乳は食事なので、赤ちゃんが空腹のときに行うのがいいと、私は考えています。
「粉ミルクは3時間授乳間隔を開けなくちゃいけないけど、母乳は欲しがるだけ飲ませていい」という話を聞くけれど、それってどうして?
私はその意見、違うと思います。
粉ミルクも、母乳も、赤ちゃんが欲しがるときにあげればいいのだけど、「本当にミルクや母乳を欲しがっているのか?」という見極めが非常に大切です。
問題なのは、赤ちゃんが泣いたときに「泣き」=「空腹」=「ミルクや母乳を欲しがっている」と決めつけてすぐに授乳をすることです。
1歳未満の赤ちゃんは、本当によく泣きます。
それは仕方のないことで、まだおしゃべりができないから伝える手段は「泣き」しかなく、「お腹が空いた」以外にも、「眠い」「おむつが濡れている」「お腹が張って苦しい」「うんちが出そうでムズムズする」「一人にされて不安」「暑い/寒い」「なんだわかんないけど不快」などなど、色々な感情を「泣く」という行為で伝えてくる赤ちゃんたち。
赤ちゃんの泣き声には大人をハラハラさせたり、申し訳ないとか、可哀想とか思わせる力があるようで、泣かれるとついつい、なんとか泣き止ませなければと思ってしまいます。そのときに便利なのが授乳で、ミルクでも母乳でも、とりあえず飲んでいる間は静かだし、満腹になると泣きがおさまることも多く、この繰り返しから、「泣いたらとにかく授乳」という習慣が生まれるのも理解できます。
大人の場合、空腹時以外に頻繁に食事を摂ることは不健康な習慣で、あまり褒められたものではありません。それは赤ちゃんも同じです。
なんかひまだから食べる
ストレス解消のために食べる
不安な気持ちを食べるという行為でごまかす
食事って、そういうものではありません。
「じゃあ赤ちゃんの空腹は、どう判断すればいいの?」というと、とにかく目の前の赤ちゃんとしっかり向き合う以外に、方法はありません。
だから育児は難しいのです。
1時間前にしっかり飲んだはずなのに赤ちゃんが泣き止まない場合は、赤ちゃんの様子を見て、あれこれ頭を使いながら、できる限りのことをしていく。
あれこれやった結果、本当に「お腹が空いていた」という答えに行き着くこともあるし、「なんだ、お腹が空いていたわけじゃなかったんだ」という場合もあるだろうし、そんな経験を積み重ねることでしか、親が子どもの「空腹」を察知する力は育ちません。
赤ちゃんの体重の推移とか、飲みっぷりとか、普段のご機嫌はどうかとか、排泄の状態とか、いろいろなことから判断して、その子のパターンを見つけていきます。不安な時は専門家に相談するといいです。
お腹が空いたら食べる、空いてなかったら食べない
そんな当たり前の習慣を意識すると、さまざまな情報に振り回されず、目の前の赤ちゃんに集中できると思います。
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