授乳の基本は「赤ちゃん主導」

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赤ちゃんの授乳に関して、たくさん相談を受けます。

親は我が子の命を背負っているので、赤ちゃんの食事のすべてである「授乳」に一生懸命になるのは、当然のことと思います。

ただ、難しく考えすぎているな、と思うことも多いです。

世の中が便利になって、たくさんの機械に囲まれて、時間通り、正確に、計算すれば答えがわかって、正解を知っていれば失敗しないで「うまく」生きていける。

そんな世の中で、赤ちゃんの自然で自由な性質を捉えることは、難しいことになっているのだと思います。

お腹がすいていたら飲む。すいていなかったら飲まない。本当はこれだけなのです。

病院に入院すると、カロリーと栄養がきっちり計算された食事が、決まった時間に、決まった回数提供されます。1週間くらいならありがたく美味しくいただけるのですが、それが数カ月にも及ぶと、だんだん疲れてきます。間食は許されず、毎回残さず全て食べきるというルールを課せられていたら、なおさらツライ。

体調によっては完食できないこともあるし、足りない時もあるし、時間より前にお腹がすく時もあれば、食事が出てきたときにまだお腹がすいていなかったり。

案外大人もバラバラに、その時の体調に合わせて食べ方を変えています。毎回決まった時間に決まった量を確実に残さず食べる方が、むしろ不自然。

何色と呼べばいいのかわからない、夕方の空。

赤ちゃんも同じ。「成長のためにこの間隔でこれだけの量を飲もう」とか頭で考えていないぶん、さらにばらつきがあると思います。たくさん飲みたい時もあれば少しで満足することもあるし、早くお腹がすいたり、空いてなかったり、その感覚に合わせて、泣いたり満足したりしているのです。

あまりにも毎日飲む量が少なくて体重が増えない、となると問題ですが、そうでなければ、「欲しがったら飲ませる」で大丈夫です。

人間は、常に揺らいでいます。その揺らぎを感じ取る力は、自分自身が元気に生きていく上でも大切で、その感覚がわかると、赤ちゃんとの暮らしも、受け止めやすくなります。

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