施設勤務をやめて、地域で働きたい。
そう思ってはいたものの、いったいなにをどうすればいいのかまったくわからなくて動けずにいた私。
出張専門開業を経て
現在は施設あり分娩なしの助産院を営んでいます!
ここに至るまでには紆余曲折ありました。助産院の開業は、とにかく情報がない。
過去の私のように、開業したいけどどうしたらいいのかと考えている人のお役に立てればと思い、私の辿ってきた道をここに書き残すことにしました。
このブログでは、私が出張専門開業から、施設あり分娩なし開業をするまでの経過を6話にまとめています。
これはあくまで私の体験談なので、他の方法もたくさんあるとは思いますが、こんな方法もあるのか、という感じでご覧いただけると幸いです。
》第1話 「出張専門(分娩なし)開業について」はこちら
》第2話 「助産師賠償責任保険の加入について」はこちら
》第3話 「施設探しについて」について
》第4話 「入居から内装完成まで」
》第5話 「開業届提出から立入検査まで」はこちら
》第6話 「ホームページ作成など」はこちら
今回は第4話。
物件が見つかり、契約を済ませ、ついに4月1日に部屋が引き渡されました。
一刻もはやく内装を完成させて、お客さんを迎えられるようにしなければなりません。もたもたしていると、収入はないのに家賃だけかかるという恐ろしい状態。急がなくちゃ!
私は友達もいないし、資金もないし、協力者もいないので、すべての作業を一人でこなすと決めていました。孤独な作業が続きます。
内装をどうするか考える
この部屋を、どういうふうにしたら素敵な空間になるんだろう??9畳1Kのこぢんまりしたマンション一室。
入居前に不動産屋さん立ち会いのもと、部屋の写真撮影と、いろいろな場所の計測をさせてもらっていました。
インテリアの知識もなく、そういう趣味も経験もない私にとって、からっぽの部屋を素敵な空間にする方法なんて、皆目見当もつきません。こういうときはネット検索です。
調べていると、無印良品で「インテリアの相談」というものを発見。なんと、部屋の図面があれば3Dシュミレーターを使って、間取りに合わせた家具の配置や家全体のトータルコーディネートまで相談にのってくれるというのです。しかも料金は無料。早速相談に行くと、無印良品の家具が並ぶ素敵なお部屋をコーディネートし、紙に印刷してくれました。私が借りた部屋は窓のサッシが黒なので、家具も白ではなく黒が使われているものを選んだ方が統一感が出るとのこと。とても勉強になります。
その後もネット検索を繰り返し、どこにどういう家具を配置するといいのか、吟味に吟味を重ねました。
「助産院 開業」で調べても全然情報が出てこないので、「個人サロン 開業」「マンション サロン」とかで調べて、マンションの一室を店舗に使っている人のブログなど参考にさせてもらいました。
床、カーテン交換
部屋の雰囲気をふんわりしたものにしたかったので、フロアタイルで床の色を変えることに。
使ったのはこちら。オークナチュラル9畳分購入。
最初は少し難しい感じがしたけれど、必要に応じてカッターでカットしつつ、ゴムハンマーではめていくこと数日。細かい部分も含めると1週間くらいかかりましたが、床の張り替え完了。
この床は水をこぼしても染み込まないし、毎日水拭きしても傷まずとても便利。見た目も素敵で、こちらを選んで正解でした。
電気も付け替え。無印良品でのアドバイスをもとに黒をチョイス。
紺のカーテンと白すぎるレースカーテンが雰囲気に合わないので付け替え。レースカーテンは無印良品の既製品。カーテンはネットショップでオーダーしました。
施術用ベッド
施術用のベッドはどうしようか、かなり迷いました。よく整体院やエステサロンにあるような折り畳みできるマッサージベッドを買おうか、シングルサイズよりも小さいベッドを買おうか、はたまた敷布団にするか。
迷った結果、置いてあっても部屋の雰囲気をこわさず、ベッド以外の用途にも使えて、いざというときには一人で運べるベンチを採用。このベンチを4脚並べると、奇跡的に部屋のくぼみにフィット。
ベンチのままだと痛いので、ちょうどいいサイズのマットを上にのせました。このマットも秀逸で、カバーがフェイクレザーで水拭き可能なので、施術ごとに拭いて清潔を保つことができます。
ベッドを設置できたけど、このままだと入り口からベッドが丸見えです。授乳相談では服を脱いだり着たりするため、目隠しが必要です。しかしここは賃貸物件で、なるべく壁に穴を開けたくありません。退去するときに現状復帰が大変な内装はしないと決めていました。でも、部屋をうまく仕切れるいい感じの商品って、なかなか見つからないんですよね。
そんなときやっと見つけたのがこのつっぱりカーテンレール。金属製ですが質感はマットで安っぽくなく、窓枠の黒とも馴染んでいます。カーテンが一枚あるだけで着替えも安心。
このカーテンは、なんと優しい知人が布から仕立ててくれました。私にも協力者がいたんだと涙が出そうでした。
家具
講座など開くときに部屋を広く使いたいこともあり、移動が大変な大きい家具は置きたくありませんでした。でも収納はある程度必要で、考えた結果たどりついたのがりんご箱。これを4つ購入し、少しザラザラしていたのでヤスリをかけてワックス塗って完成。
あとは椅子をいくつか購入。
すべてネットで購入したので、このときはヒマさえあればネットサーフィン。頭が痛くなるほど検索していました。
家具ではないけど、助産院には必須の体重計も購入。
安いスケールも売っていますが、ここは助産院なので、「医療機関での赤ちゃんの体重証明に使用可能」と謳われている、精度のたかい検定済の体重計を選びました。
ネットで買えるって全然知らなくて、どこかのメーカーのカタログから購入したので値段高め(10万円を少し超えました)。楽天で同じものが数万円安く買えたみたいで、ショック。
机はぴったりサイズがよく、Creemaで作家さんに作ってもらいました。この部屋は収納がないので、机の下に見せたくないものを隠したりもしています。また部屋がちいさいので、体重計を使わないときはこの机の上に置けると便利だと思い、体重計のサイズも考慮して依頼。
大きいものはこんな感じで、大体の内装が完成。
トイレ
独立したトイレのある部屋を借りたかったけれど、予算が限られた中で店舗として使える物件という時点で選択肢がかなり少なく、このお部屋は3点ユニットバス。最初は残念に思ったものの、独立トイレだとそのぶん部屋も狭くなってしまうし、この部屋でシャワーを浴びるわけでもないので、結果これでよかったです。
「お風呂」っていう雰囲気を消したかったのと、少しでも雰囲気が明るくなるように、また、せまい空間に紙くず入れとかサニタリーボックスとか掃除用品などごちゃごちゃ置きたくなくて、トイレのあり方もかなり悩みました。
ニトリのスノコをバスタブサイズに合わせてカットし蓋にしています。
床にはなるべくモノを置きたくないので、紙くず入れは紙袋を壁に貼り付け。
汚れたら袋ごと捨てられます。3点ユニットバスの壁って、磁石がくっつくんですよね。発見したときとてもびっくりしたし、ラッキーと思いました。
鏡越しにみえている植物はユーカリで、束にして、こちらも強力磁石フックで天井から吊るしています。グリーンがあると、なんとなく爽やかな雰囲気。
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室内のレイアウトを考えて、家具を購入し、なんとなく助産院が形になったのがゴールデンウィーク明け。入居から1ヶ月以上かかりました。
この作業と並行して、助産院の名前やメニュー、料金設定を考えたり、ホームページ作成をすすめておりまして、それについては別の記事に詳しく書こうと思います。
第5話に続く
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