前回の授乳から1−2時間しか経っていないのに口をパクパさせて反って泣いて暴れて、飲んでは吐いて、飲んでは吐いてを繰り返す赤ちゃんがいます。生後3ヶ月頃までに多いこの現象の原因は、「空腹」じゃなく「眠気」であることが多々あります。
空腹なのか、空腹以外(主には眠気)なのかの見極めは、体重がどれくらい増えているかが重要です。生後3ヶ月までの赤ちゃんの体重は、1日あたり25g〜35g増えていれば大丈夫。それを下回るようなら、本当に空腹で泣いているのだと思います。35g以上体重が増えているのなら、空腹以外で泣いている可能性大。
例えば、飲み過ぎで苦しい、お腹にガスがたまっていて苦しい、便秘で苦しい、どこかが痛い、暑い、寒い、眠いなど。私が診ている感じでは、口をパクパクさせて「空腹のサイン」のように見える赤ちゃんは、実は「眠い」で泣いていることが多い印象です。
この時期の赤ちゃんは1日14〜17時間もの睡眠を必要としているのだけど、そのわり眠るのがあまり上手ではありません。ずっと子宮のなかで丸くぎゅと包み込まれていたのに、急に開放空間に解き放たれた赤ちゃんたちは、身の置きどころがなくて、床でぐっすり眠ることができません。抱っこだと包まれているから安心だけど、置かれると不安!不安定!
眠れないとどんどん機嫌が悪くなって、そのせいで余計に眠れなくなって、安心したいから「おっぱい吸いたい!」となって、それがあたかも「お腹を空かせている」ように見える。だから親も母乳やミルクをあげすぎて、赤ちゃんは飲みすぎたぶんを吐き戻す。でも「眠い」という問題は解決されていなから、また口をパクパクして泣いての繰り返し。
こんなときは、「おくるみ」と「ホワイトノイズ」が有効です。赤ちゃんをぎゅっと包みこんで、やんわり音を流してあげることで、安心感を得てぐっすり眠ることができます。ぐっすり眠れると機嫌が良い時間が増えるので、授乳から時間が経っていないのに泣き叫ぶことが激減。「安心な環境」を作ってあげるだけだから、とても簡単です。
この話をすると、「うちの子、おくるみ苦手なんです」とか、「おくるみしてもすぐに蹴ってほどけちゃうんです」という答えが返ってきます。取れちゃう場合はスワドルがおすすめ。スワドルを着せて、その状態で抱っこして寝かせて、そっと寝床に置くと、そのまま長く寝てくれるようになってきます。
↓新生児から生後6−7ヶ月まで使えるおすすめのスワドル
ホワイトノイズも、「使ったことあるけど、うちの子には効果がありませんでした」と言われることがあります。でも、あきらめないでください。スワドルとホワイトノイズを両方使って、さらに室温を涼しくして、赤ちゃんが疲れるすぎる前に寝かせてあげれば、小さい月齢の赤ちゃんは本当によく寝ます。ホワイトノイズだけに頼っていたから、効果が薄かったのだと思います。
子どもが寝てくれると、親は長時間の抱っこから解放されるし、自分時間がもてて気持ちに余裕ができます。気持ちに余裕ができると、さらに我が子が愛おしく感じます。昼も夜も、親も子どももしっかり眠って、起きてるときは元気に活動。
親の体調が整っていれば、子育ての楽しい部分をたくさん感じとることができます。決してさかのぼって体験することはできない、この時期ならではの赤ちゃんとの暮らしを、楽しみながらじっくりをと味わってほしいです。
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